昨日、文京区の見樹院と言うお寺で開かれた「福島から問う、いのちと未来」と言うシンポジウムに参加して、
現在福島で生活している方のお話を聞いてきました。
それで感じた事は、原発事故から2年がたって、福島から避難した人も、
福島に残っている人も、もう精神的に限界にきている、と言う事でした。
1人の方は、南相馬のお寺の住職さん。
原発事故直後に母子のみ福井に避難し、本人は福島に残る生活を続けて来て2年。
仕事柄、求められれば断る事はしたくない、とのことで福井に帰れずに、
その結果、家族一緒に過ごす時間がなくなり、奥さんから「別居生活はもう耐えられない」
と言われたそうです。この4月からは、磐木の奥さんの実家に母子が戻ってくるとの
事でした。もちろん、放射能の事は心配だそうです。
もう1人の方は、福島氏の医療機関に勤めておられる方。
震災で、お兄さん夫妻がなくなり、残された子供3人の面倒も見ながら働いているそうです。
今、医療機関では、患者さんの数は増えるのに、スタッフの数は逆にどんどん減って来て、
残されたスタッフの負担がきつくなる一方だと言います。
ここへきて、また4月から去ってゆくスタッフの方がおられ、これから先どうなることやら、
先の見えない消耗戦が続いているとの事でした。
そのお2人が、今後を見据えて、私たち聴衆に望む事は、
「1人でもいいから、福島のひとと繋がって欲しい。そして声をかけて欲しい。」
と言う事でした。
「声をかけられるだけで、どんなに勇気づけられ、励まされることか。」
こころに響く言葉でした。
私が、QOL回復セラピーをやっていて気が付いた事。
放射線が体に入るだけで、即、心がネガティブに傾きます。
一般には、肉体の健康被害ばかりに気がむいていますが、
本当は、心の健康被害の方が深刻かもしれません。
1人ひとりの心がネガティブに傾く事によって、家庭の中が、学校の中が、職場の中が、地域の中が、
とげとげしい雰囲気に覆われてしまいます。言い争いや心の葛藤が絶えなくなります。
その影響は、一番弱い立場の子供に顕著に出て来ます。
QOL回復セラピーをやっていて、不思議に思った事。
放射線への感受性は子供の方が大人より数倍高いと言われているけれど、
肉体的なダメージは、大人の方が大きいのが不思議でした。
たぶん、子供の健康被害は、心因性のものの方が多いのだと思います。
親や先生などからの、精神的バッシングが影響しているかもしれません。
ですから、子供の甲状腺にヨウ素が蓄積し易いと言う事を除けば、
子供の健康被害を防止するには、大人の心のケアの方が効果的かもしれません。
今、自分にどんなサポートができるのか、もう一度考えてみたいと思います。