病気を治す飲水法

体に毒素をため込まず、健康を保つには水が重要

人は病気をして初めて健康についての問題に真剣に取り組むよ うになります。そこで最初にわかることは、病気は長い時間と複合的な要素がか らみあって徐々に忍び寄ってくるもので、糖尿病、脳卒中、心臓病などは、まさ に生活習慣病以外のなにものでもありません。病気を取り込む習慣とは、とりも なおさず体に毒素をため込んでしまう習慣のことです。体の中に毒素をため込ま ないためには、一日一日きちんと毒素を洗い流してやることが重要で、それはひ とえに水の働きによります。

体内の浄化の為には蒸留水が最適

ブラウン・ランドーン博士日本ではまだよく知られていない、ブラウ ン・ランドーン博士 は、体内の浄化の為に最も優れた水として「蒸留水」 を上げています。蒸留水は、体内の毒素を溶解して体外に運び出す力がとても優 れているようです。事実、「蒸留水」をこよなく愛したランドーン博士は98歳で なくなりましたが、その時の博士の体は完全な健康体で、まるで50歳代にしか見 えなかったと言われています。

病気にならないための水の飲み方

どんな水を飲むのかと同時に、どんな飲み方をするのかも、私たちの健康に 大きな影響があります。
以下に、最も効果的な水の飲み方をご紹介します。

①.毎食30分前にグラス1杯、2時間半後にグラス1杯の水を飲む。(慣れてき たら2杯)
②.お茶やコーヒーを除き、1日に自分の体重の30分の1リットルまで飲む水 の量を増やす。
(例:体重60キロなら1日に飲む水の量は2リットル)
ただし、飲む量を増やしても尿の量が増えない人は、いきなり増やさずに徐々に 増やす。
③.毎日ひとつまみの天然塩をなめる。(夜寝る前に摂るとよく眠れるようです )

この飲水法は、1931年にイランで生まれた医師、バトマンゲリジ博士がすす める飲水法です。博士はイギリスで医師免許を得た後、イランに帰国してイラン 革命に巻き込まれ、獄中で患者の診察にあたりました。薬が使えない中で、胃潰 瘍に苦しむ囚人に水をコップ2杯飲ましただけで癒したのをきっかけに、水だけ で3000人の患者を治療し続けました。革命後、アメリカに移住して、医学と生理 学と臨床面から水の薬効を解明し、水に秘められた治癒のメカニズムを体系化し ました。それをまとめた博士の著書は1995年アメリカから世界に大反響を巻き起 こし、100万部を突破、代替医療の世界に飲水療法の大ブームを巻き起こしてい ます。日本語翻訳版は「病気を治す飲水法 -万病を予防し治す水の力を総解説 !-」中央アート出版社刊

のどが渇いてから水を飲んだのでは遅い

40億年前、生命は海で誕生しました。それらの生物 の細胞は常に海水と細胞膜のみで隔てられ、海水が体液の役割を果たしていたと 考えられます。やがて進化を重ねた動物が陸に上がった時、生命の母である太古 の海を体液(細胞外液)として体内に蓄える事によって海から離れることが可能 になりました。生命が誕生した太古の海のミネラル濃度は、現在の海水の約1/ 4で、多くの動物の体液(細胞外液)と同濃度だと言われています。私たち動物 の体液量とミネラル濃度は、生命維持の為に常に一定に保たれる必要があり、欠 乏した場合には水と塩に対する本能的欲求が生まれます。ただし、水と塩に対す る欲求は、もうこれ以上体が耐えられなくなった最後の段階で初めて感じるのだ そうです。実は喉が渇いていなくても体に水が欠乏している事は常にあるのだそ うです。ですから、普段から水と塩を補給する習慣付けが大切となるのです。

毎食30分前に水を飲む理由

消化管は口から取り 込んだ栄養素を体の中に吸収する複雑な化学プラントです。そして、このプラン トで起こる化学反応の為に、大量の水が必要になります。もしこの水が準備でき ていないうちに、口から栄養素を投入したらどうなるでしょう? プラント内で の化学反応が充分に起きなかったり、プラントが詰まってしまったりしてしまい ます。そのために、毎食30分前に水を飲む必要があるのです。飲んだ水は腸から 吸収され、食べるまでには消化管に分配する準備が完了します。

お茶やコーヒーではいけない理由

文明社会では、お茶、コーヒー、アルコール、清涼飲料が水の代わりになる と考えられていますが、この考え方が致命的なミスだと言われます。これらの飲 料には確かに水が入っていますが、脱水成分も含まれています。それが飲料の水 分だけでなく、体に貯蔵されている水まで排出してしまうのです。水を補給しよ うとして飲んでも、結果的に更に脱水を招いてしまうと言うのはなんとも皮肉な 話です。

欠乏した水とミネラルを重要な器官に優先して割り当 てる仕組みが病気を生む

水と塩に対する欲求を感じなくても、水とミネラルが欠乏している事は常に あります。そんな時、体はまず体液の恒常性維持を優先し、一部の細胞や骨など から水とミネラルを吸い取り、それを体液に補充します。それによって、一部の 細胞が元気をなくし骨が弱くなっても、まず生命維持を優先するシンプルな仕組 みです。また、同じ細胞の中でも臓器や機能により優先順位が決まっており、脳 、肺、肝臓、腎臓、内分泌腺がまず優先され、筋肉や骨は最後にまわされます。 水とミネラルの欠乏は、欠乏している部位の痛みとして伝達されます。従って、 体に水とミネラルの欠乏が生じた時、最初に現れる症状は筋肉痛や関節痛なので す。体のどこかに痛みを感じたら、まず水と塩を摂るというのが正しい対処法と 言えます。多くの場合、実際にそれで痛みがやわらぐか消えてしまいます。そし て、この段階できちんと水とミネラルを補給していたら、それ以上深刻な病気に なることはないのです。

【参考文献】
「病気を治す飲水法」バトマンゲリジ著 中央アート出版社
「ミネラルの事典」糸川嘉則編 朝倉書店
「水から学ぶ健康法」大坪亮一著 リム出版新社

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